近年、高齢者の一人暮らしや夫婦暮らしが増えてきています。総務省政策白書によると、65歳以上の高齢者のうち8割以上は、経済力もあり介護を必要としない「アクティブシニア」だそうです。老人ホームには入りたくないが、一人暮らしは不便で不安であり、駅前の便利なマンションに引っ越したくても孤独死リスクで入居できないなど、高齢者の一人暮らし向けの選択は多いとはいえないでしょう。
高齢者の両親が離れて暮らしていると、安全確認のために電話をしますが、それが毎日となるとお金だけでなく精神的な負担が大きい方も少なくはないでしょう。しかし、家にWi-Fiネットワーク環境さえあれば、離れて暮らしていてもIoTを駆使したスマートホーム製品で高齢者の見守りを行うことができます。今回はスマートホームと高齢者について解説します。
IoT(Internet of Things)を導入する
内閣府の平成29年版高齢社会白書によると、高齢者の約4割が孤独死を心配しており、頼りたい相手として子供が約5割となっています。しかし、様々な事情で高齢者の両親と一緒に暮らすことができず、見守りたくてもできないという悩みを持つ人は少なくないのではないでしょうか。
スマートホームなら、高齢者の見守りを簡単に行うことができます。
スマートホームは、あらゆる端末にインターネットを通して通信が可能になるIoT(Internet of Things)を導入することで、安心・安全・快適・便利な暮らしを可能にします。
IoT家電はスマートフォンで操作可能であり、スマートスピーカーと連携することができますので、声をかけるだけで動かすことが可能です。そのため、身体の不自由な高齢者にとって生活を快適にすることができるでしょう。
また、またログがスマートフォンのアプリに残るので、遠隔地に住む家族が一人暮らしの高齢者の状況を把握、確認することで見守りや深夜の徘徊防止などが可能になります。
見守りにおすすめのスマートホーム製品
見守りにおすすめのスマートホーム製品は以下の通りです。
スマートホームカメラ
1つ目は「スマートホームカメラ」です。
スマートホームカメラは時間を気にせず確認しようと思った時に、いつでも姿を見守ることができます。そのため、電話よりも手軽に様子を確認することができ、遠隔地に住む高齢者の時間を煩わせることなく使用することができます。
また、双方向で通話もできますので、高齢の両親と孫とのコミュニケーションツールとして使うこともできます。
ただし、いつでも撮影されていることもあり、プライバシーの侵害など、設置される側に抵抗感が生まれる場合もあります。抵抗感がなければ、スマートホームカメラは一番安心な手段といえるでしょう。
+Style LED電球(人感電球)
2つ目は「+Style LED電球(人感電球)」です。
+Style LED電球は、人感センサーを搭載したスマート電球です。人の動きを検知すると電球が自動で点灯してくれます。家の玄関に設置すると、自動で電気を点灯させ、明るい部屋に帰ってくることができます。
また、アプリと連携することで、点灯時間や人の動きを検知する人感センサーの感度を変更、検知した履歴を確認、リアルタイムで通知機能がついていますので、防犯対策や見守り機能として使うことができます。
スマートセンサー(ドア・窓用、人感)
3つ目は「スマートセンサー(ドア・窓用、人感)」です。
ドア・窓用のスマートセンサーは扉の動きや窓の開閉などから生活を確認することができます。
玄関、お手洗い、寝室のドアにセンサーを貼り付けるだけで、開閉したタイミング毎にスマートフォンに通知が届く設定ができるため、遠くに住む家族の生活の様子を見守ることができます。動作履歴が残りますので、いつ開けて閉めたのかログを残すこともできます。
また、人感のスマートセンサーは、人が通った時にスマートフォンアプリに通知が届き、見守ることができます。こちらも動作履歴を確認すれば、動きの有無を見る事が出来、ログを残すこともできます。
設置される側のプライバシーを守りながら見守りができるため、スマートセンサーはおすすめです。
スマートLEDシーリングライト
4つ目は「スマートLEDシーリングライト」です。
+StyleのスマートLEDシーリングライトやスマートLED電球をリビングや寝室の電気に設置すると、電気をつけた動きを確認することができます。玄関に設置しておくと、共働きで家に親がいないお子さんの帰宅時間確認記録・通知として使うこともできます。
スマートフォンで今の電気の状態をシーリングライトや電球のソケットに差し込み、デバイス追加(Wi-Fi接続)を行い、電源をオンにするだけで確認することができます。スマートモードを使用すれば、電気が消えた時や電気がついた時にログを残し、通知を行うことも可能です。
スマートホームを利用したサービス
スマートホームを利用した高齢者見守りサービスを提供している会社も出てきています。スマートホームを利用したサービスは以下の通りです。
リンクジャパンの「eMamo(イーマモ)ホーム」
IoTプラットフォームサービス「eMamo(イーマモ)ホーム」とは、AIとIoT技術を駆使し、既存住宅をヘルスケア付き高齢者住宅にアップデート、高齢者ヘルスケアに必要なあらゆる製品とサービスを一本化する事により、介護効率、見守り、自立支援をサポートする、介護を楽に、スマートにするためのIoTプラットフォームサービスです。
リンクジャパンは国内初のスマートホーム専門企業です。これまでは主に介護施設向けに提供してきましたが、在宅介護や自宅ヘルスケアのニーズに応えるため、「eMamoホーム」のリリースに至りました。
提携先は、シニア住宅を手がける不動産事業者や、高齢者向けサービスを提供する法人を想定し、住宅向けの第1弾として、不動産運用サービスを展開するシーラに、同サービスを提供しました。
eMamoホームでできることは以下の通りです。
・さまざまなセンサーの組み合わせにより、一人暮らしの利用者の睡眠時の心拍、呼吸、トイレ頻度、熱中症リスク、活動状況などを、クラウド経由で把握可能
・AI技術で異常を自動検知し、関係者に通知
・室温に合わせてエアコンを自動制御
・カーテンやテレビ、照明などの家電を声で操作できる
・スマートナースコール「eBell」で、提携コンシェルジュや医師と24時間ビデオ通話可能
・家族や関係者も、スマートフォンでeBell向けに会話可能
・家事代行や訪問介護、食事宅配サービスとも連携
・360度カメラで状況確認、通知、データ保存
・声による家電製品操作
・複数の部屋や複数の箇所を一括管理
・体温を24時間継続確認・通知
・GPSで利用者位置確認
・在室中に長時間動きがない場合に通知
・WEBアプリでパソコンやipadも対応
・見守られている感がなく、高齢者側も安心
・外出先からでもスマホで状況が分かる
eMamoホームの強みは以下の通りです。
・アプリの画面がわかりやすく、直感的で使いやすいため、誰でも使える
・スマートナースコールでどこでもビデオ通話できる
・Wi-Fiがあれば即日利用開始でき、工事不要で、後付けも可能
eMamoホームが役立つシーンは以下の通りです。
●介護施設
・移動距離や訪室回数が減り、業務効率改善
・高齢者の排泄データなどの見える化により精神的負担減少
・パソコンで一括見守りし、スマホで異常通知を受信可能
●在宅介護
・自宅を施設に近い安心安全な環境構築にできる
・24時間健康相談、食事手配、家事代行などワンストップで提供できる
●シニアマンション
・安心して暮らせる家として物件魅力が向上
・付加価値を提供し収益アップ
・孤独死検知で物件価値下落を防ぎ、物件を売りやすく、貸しやすくできる
●家族による見守り
・同居しなくても家族と繋がることができ安心感が得られる
・高齢者が電話にでない場合アプリからナースコールで呼びかけができる
・健康状態に応じて食事配達や訪問介護などのサービスが追加可能
・いつでも安心して見守ることができる
スペクトラム・テクノロジー株式会社の高齢者見守り製品
スペクトラム・テクノロジー株式会社は、ひとり暮らしの高齢者見守り製品を販売しています。今回販売したひとり暮らしの高齢者見守り製品の特徴は以下の通りです。
・月額料金が無料
・基本部はゲートウェイ、緊急ボタン、赤外線モーションセンサ(人感)
・高齢者の方が緊急ボタン(ペンダント型もあり)を押下することにより、家族のスマホに通知される
・赤外線センサにより、スマホから高齢者の状態を確認でき、その後の緊急対応が可能
・孤独死の予防
・1百万世帯に導入実績のあるWulian製品を使用
・温湿度センサ、赤外線送信機(熱中症対策)、遠隔家電操作、カメラ、コンタクトセンサ(ドア、窓)、漏水センサ、AIスピーカ(アレクサなど)によるシーン切替もオプションとして利用可能
・提供地域は当面、東京、神奈川、千葉、埼玉
・インターネット回線(LAN接続)、AC100V電源(ゲートウエイ、IPカメラ)、スマートフォン、アカウント登録用メールアドレス、(オプション利用の場合AIスピーカー)を用意しておくだけで、購入した日からすぐ利用可能
・お届け期間は、1週間程度
・Line@,メール、電話などにより安心サポートを実施
・プレミアムサービス(完全おまかせサービス)の提供
・職員見回り稼働を削減及び孤独死を発生させたくない老人ホームを経営の方にもオススメ
まとめ
スマートホームと高齢者について解説してきました。以下、まとめになります。
・スマートホームなら、高齢者の見守りを簡単に行うことができる
・スマートホームによる高齢者見守りサービスや製品はたくさん出ている
・Wi-Fiさえあれば遠隔地の高齢者見守りをスマートホーム製品で簡単に始めることができる
離れて暮らす高齢の両親は心配だが、プライバシー侵害や負担にはなりたくない。そんな場合、IoTの力を使うスマートホームは安価で簡単に見守りを行うことができます。設置する側、される側、お互い納得した上で、ぜひ使用してみてはいかがでしょうか。