業界分析

スマートホームを持っていても使わない理由とは?アンケートから見えてくる利用率向上の道!

スマートホーム市場はどんどんと成長していき、日本でも普及率は年々上がっていますが海外に比べて早くはありません。しかし、スマートホーム製品であるスマートスピーカーのアンケートを取った結果、所持していても使っていない人が一定数いました。

何故持っているのに使わないのでしょうか。今回はスマートホーム製品の中からスマートスピーカーを対象とし、海外よりも普及が遅く、持っている人全員がアクティブユーザーではない理由を解説します。

世界でのスマートスピーカーの世帯普及率

スマートホーム製品といわれて思い浮かぶのは音声アシスタントである「Amazon  Alexa」などの「スマートスピーカー」ではないでしょうか。

スマートスピーカーとは、音声だけでIoT家電の管理や操作が可能なAIスピーカーのことです。「音声アシスタント」とは、スマートフォンやスマートスピーカー、PC、車載ナビ、家電等に搭載された、音声でやりとりができるサービス全般を指します(SiriやGoogle Assistant、Alexaなど

2021年8月25日にREPORTOCEANが発行した新しいレポートによると、世界のスマートスピーカー市場は、2021年から2027年の予測期間において17.1%以上の健全な成長率が見込まれています。スマートスピーカーやスマートホーム市場について下記リンクにて詳しく解説していますので、あわせてお読みください。

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日本におけるスマートスピーカーの世帯普及率も年々増加している

野村総合研究所の「ITナビゲーター2021」によると、音声アシスタントを使ったことがある日本人の答えは以下のとおりです。

  • 初めて音声アシスタントを使用したデバイスがスマートスピーカー(7.4%)
  • 2回以上音声アシスタントを使ったことがある人が最も良く利用する音声アシスタントがAmazon Alexa(7.8%)

2021年のスマートスピーカーの世帯普及率は13.5%(約700万世帯)が保有しており、2026年には30.8%(約1,500世帯)まで増加すると見込んでいるようです。

参照: NRI「IT ナビゲーター2021年版」(https://www.nri.com/jp/knowledge/report/lst/2020/cc/mediaforum/forum301)

2022年5月13日~5月19日に株式会社イードが全国20~69歳男女2,839人に行った「音声アシスタントとスマートスピーカーに関するアンケート調査」では、スマートスピーカーの所有率は12.1%(343人)でした。

スマートスピーカーを持っていてもアクティブユーザーとは限らない

年代によるスマートスピーカー所有率の大きな差はありませんが、「持っていてもあまり使っていない人(月1回以下)」は合計で25.0%と、全ての所有者がスマートスピーカーのアクティブユーザーとは限らないことがわかります。所有者の使用状況内訳は以下のとおりです。

  • 週4日以上:43.1%
  • 週1~3日:23.6%
  • 2-3週に1日:8.2%
  • 月に1日:3.8%
  • それ以下:8.7%
  • 使っていない:12.5%

持っていても使わない理由は負荷以上のメリットを体感できず慣れる前にやめてしまうから

所有していても非アクティブユーザーである理由は、複数回答ありで以下の結果となっています。

  • 使う機会がない(40.7%)
  • 使うメリットを感じない(31.4%)
  • 他のデバイスで代用できる(20.9%)
  • 誤作動・誤認識する(15.1%)
  • 意図通りの反応をしてくれない(14.0%)
  • 自分で買ったわけではないのでもともと使う意図がない(11.6%)
  • 何ができるかよくわからない(8.1%)
  • 故障している(1.2%)
  • その他(3.5%)

要約すると以下のような結果になります。

  • 実際使ってみると音声指示操作に慣れるまで無意識に感じる負荷が想像以上
  • 負荷以上の利便性やメリットを感じることができず、結局手でやったほうが早い
  • 代用品があるから

日本人は興味があってスマートスピーカーを購入しても、想像以上の設定方法や操作方法に苦しみ、使い慣れる前にやめてしまう人は少なくありません。性能がイマイチ、メリットを感じない、結局手でやったほうが早いとなってしまい、使うのをやめてしまうのでしょう。

メディアリテラシーを高く持つことで慣れるのが大事

スマートスピーカーは基本的に意図した通りの反応をし、音声操作で音楽再生や通話ができるなど、手でやるより簡単です。

説明書を読んでも理解できない、意図したとおりに動かない、何ができるのかさえわからない場合、メディアリテラシーの向上が必要となります。

メディアリテラシーとは「メディアから得た情報を見極めるスキル」、つまり「メディアの情報をそのまま受け取るのではなく、自分で考え確認するスキル」のことです

メディアリテラシーが低いということは、新聞やテレビ、インターネットが伝えた情報を額面通りに受け取り、正確な情報を得る能力が低いということになります。

現在、ネットワーク上ではスマートホームに関する様々な動画やブログが挙がっています。その中から自分が聞きやすい、理解しやすいものを選んで情報検索しましょう。情報を確認し、自分で考えることで理解が深まります。

情報を理解しながら繰り返しスマートスピーカーを使用していけば、段々慣れてきて使用継続に繋がるかもしれません。

初回利用時に性能への印象が良い人ほど使い続ける人が多く、「より便利さを感じて使い続けることでモチベーションに繋がる」という好循環が生まれるのではないでしょうか。

スマートスピーカー利用者の中には家電操作をしていない人もいる

スマートスピーカー利用者(300人)の利用用途は以下のとおりです。

  • 音楽再生(72.7%)
  • 天気予報を聞く(58.7%)
  • タイマー・アラームセット(49.3%)
  • ニュースを聞く(36.3%)
  • ラジオ再生(32.0%)
  • 家電操作(27.7%)
  • 単語の意味を聞く(21.3%)
  • その他(1.0%)

スマートスピーカーと聞くと、音声で命令すると家中の電気を消したり、帰った時に涼しくなるようエアコンを遠隔操作したりするイメージがありますが、実際「家電操作」は3割弱でした。中にはスマートスピーカーと家電を連携していない(181人)方もおり、理由として最も多かったのが「連携できる家電がない」でした。

  • 連携できる家電がない(61.9%)
  • スマートスピーカーで家電を操作しようと思わない(35.4%)
  • 連携の仕方がわからない(12.7%)
  • 誤動作が怖い(7.7%)
  • 「連携させる」の意味がわからない(5.0%)
  • その他(1.7%)

スマートスピーカーの音声認識の精度が良すぎて勝手に誤作動が起きてしまうと、思いもよらない事故を引き起こす可能性があります。そうならないためには、強固な個人認証、識別の音声UIが必要となってきます。スマートスピーカーの性能がどんどん上がっていけばいくほど、その心配を減らすことにつながっていくでしょう。

しかし、そもそもスマートスピーカーで家電を操作しようと思わないと回答した方は、スマートスピーカーで家電を操作するメリットや利便性を感じられなかったのかもしれません。

感じるデメリットを解決するのが「スマートホームのプラットフォーム」

スマートホームに対してデメリットを感じることは以下の通りではないでしょうか。

  • 設定を自分でしなければいけず、ある程度PCなどに詳しい人でないと難しい
  • スマートフォンで家電を遠隔操作できるだけだと思っている人が多い
  • あまり身近に利用している人が多い商品ではないので、自分が必要とする場面を想像しづらい
  • 導入するメリットが分かりづらい
  • メーカーによるIoT製品乱立により管理アプリがバラバラでわずらわしい

上記のようなデメリットを解決するのが、スマートホームのプラットフォームです。スマートフォームのプラットフォームは、スマートホーム製品と連携したIoT製品家電を一括管理・遠隔操作を可能にします。スマートホームのプラットフォームについて詳しい解説は以下のリンクに掲載しています。あわせてご覧ください。

 

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スマートロックやスマート照明など一つの機能を個別にスマート化するよりも、一括管理・遠隔操作が可能なプラットフォームによる家全体機能のスマート化のほうが、スマートホームを自宅に設置するメリットを感じやすいでしょう。

そのため、スマートホームのプラットフォームの整備や、対応した設備や住宅が広がっていけば、スマートホームを自宅に取り入れるメリットが分かりづらい、必要とする場面が想像しずらいというデメリットは減少していくかもしれません。

今後スマートスピーカーによる家電操作利用率は高まっていく

自由回答では以下のような家電操作に対する期待と連携操作性の向上希望の声もありました。

すぐに使えることに価値を感じる声

  • 手がふさがっている時に便利
  • 目が離せないときや、その場を動けないときにも使える
  • PCで検索するより早い

性能の向上を望む声

  • もう少し聴き取りの精度を上げてほしい
  • もっと会話ができるようになってほしい
  • 全ての家電を管理したい
  • 幅広い家電で使えるようになってほしい

使い方の理解を深める手段がほしいという声

  • 何ができるのか、一覧で知りたい
  • 使い方がよく分からないので、取説があればいい
  • 家電との連携がもっと簡単になってほしい

また、スマートスピーカー満足度は以下の通りでした。

  • 満足している合計値は62.1%(とても満足14.9%、まあ満足47.2%)
  • 満足していない合計値は10.5%(あまり満足していない8.2%、全く満足していない2.3%)
  • どちらともいえないが27.4%

満足している人が半数以上を占めており、今後IoT家電が増え、誰にでも連携操作が簡単な技術が開発されていくにつれスマートスピーカーによる「家電操作」利用率も高まっていくのではないでしょうか。

参照:U-Site「音声アシスタントとスマートスピーカーに関するアンケート調査」(https://u-site.jp/survey/voice-assistant-2022-4)

まとめ

今回はスマートホーム製品の中からスマートスピーカーを対象とし、海外よりも普及が遅く、持っている人全員がアクティブユーザーではない理由を解説してきました。以下まとめになります。

  • 負荷以上のメリットを体感できず慣れる前にやめてしまうため、全スマートスピーカー所有者がアクティブユーザーとは限らない
  • 一括管理・遠隔操作が可能なプラットフォームによる家全体機能のスマート化はメリットが感じやすく、必要とする場面が想像しずらいというデメリットは減少する
  • スマートスピーカーの利用価値を感じ、性能向上と使用理解を深める手段を求める声があり、満足度も半数を占めているので今後の技術開発によって利用率向上の可能性あり

スマートスピーカーの普及率は年々向上していても、利用率が下がっている理由は負荷以上のメリットを体感できずに慣れる前にやめてしまう、必要とする場面がそれほど思い浮かばないからだとアンケート結果からわかります。おそらくこれはスマートホーム製品全てにいえることではないでしょうか。せっかく所有していても使う気持ちになれなければ便利な機能も活躍できません。

所有者の中には機能性と簡単な連携性が向上すれば良いという声があることから、一括管理・遠隔操作が可能なプラットフォームによる家全体機能スマート化を簡単に設定できるようになれば、必要な場面を想像してメリットを感じ、段々慣れていくことで利用率は向上していくのではないでしょうか。

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