業界分析

スマートホームのプラットフォーマーとは? 住宅機能一括管理・制御可能なプラットフォームがスマートホーム化を加速させる!

現在、様々なスマートホームの製品とそれに連携するIoT製品が世の中に出ています。プラットフォーマーによってその便利さを知った私たちにとってスマートホーム製品は身近になりつつあります。
スマートホーム製品は世の中にたくさん出ていますが、ただ自動的な機能がついているだけではそれほど魅力を感じません。何が求められており、どんなサービスを展開すれば顧客満足に繋がるかを、利用者の感想や要望などのデータを収集・分析し、新しいサービス展開に繋げるのがプラットフォーマーの役割です。今回はスマートホームとプラットフォーマーについて解説します。

プラットフォーマーとは

プラットフォーマーとは、インターネットやシステムでプラットフォームを提供する事業者や企業のことです。

プラットフォームとは、システムやサービスの土台や基盤となる環境のことです。演壇や舞台、周辺より高い足場などの意味から転じ、今の意味になりました。たとえば、アプリケーションが動作する環境や、オンラインショッピングや音楽配信サービスを提供する場などがプラットフォームになります。

事業者が自身のプラットフォームでビジネスを行うケースは多くはありません。
プラットフォーマーの先駆者はWindows OSを開発している米マイクロソフトといわれています。

海外の代表的なプラットフォーマーは以下の通りです。
・GAFA(Google、Apple、Facebook、Amazonの頭文字をとって名付けられた)
・Microsoft(Windows OSを開発)
・Uber(ユーザー同士でのライドシェアをサポートするアプリケーション)

日本で代表的なプラットフォーマーは下記の通りです。
・楽天(ECサイト)
・メルカリ(手軽な個人売買)
・mixi(仲間内でサービスを共有するサービス)
・ディー・エヌ・エーやグリーなど(ソーシャルゲームの基盤を運営する会社)
・任天堂、ソニーなど(家庭用ゲーム機を製造、販売する会社)

プラットフォーマーの特徴とデメリット

プラットフォーマーの特徴は以下の通りです。
・無料サービスでユーザーを獲得し、そこから集まったデータを解析して次のサービスにつなげる
・常にユーザーニーズを反映したサービスを展開することで、ユーザーが増加している

その流れは以下の通りです。
①無料サービスを展開し、ユーザーを獲得
②ユーザーの行動をビックデータに蓄積し、行動パターンを解析
③ビックデータの解析結果から、ユーザーが求めるサービスを考案、サービス展開

プラットフォーマーのデメリットは以下の通りです。
・類似サービスを提供する既存企業の存続に繋がる
・持っているビックデータの悪用懸念が社会へ影響を与える

プラットフォーマーが与えるメリット

プラットフォーマーとしてサービスを展開することで以下のメリットが発生します。

マーケティングの効率が上がる

1つ目は「マーケティングの効率が上がる」ことです。

プラットフォーマーが展開するサービスから、ビックデータの解析により、ユーザーが求めるサービスを推測しやすく、マーケティングの効率を上げることができます。会員属性や購買履歴などからわかる消費行動データは以下の通りです。
・各年代の好むサービス
・購買傾向
・定期的な流行り廃りなど

顧客数の増加

2つ目は「顧客数の増加」です。

プラットフォーマーのサービスが拡大すればするほど、さまざまなモノを扱うことでき、顧客数を増加できます。

その理由は以下の通りになります。
・プラットフォームビジネスなら、日用品からゲームソフトなど、豊富なラインナップを揃えられる
・それらを揃えることで、さまざまなニーズを求めるユーザーが集まる
・プラットフォームに参加している企業のユーザーも取り込める

客単価向上の機会が多くある

3つ目は「客単価向上の機会が多くある」ことです。

プラットフォーマーのサービスを強化することで、商品、サービス、参加企業が増え、より客単価を向上させることができます。

その理由は以下の通りです。
・買う人が増えるから取扱商品を増やす
・新たにそのサービスを利用する人が増えるからサービス内容を増やす
・その企業のサービスを活用している人も取り込めるから参加企業を増やす

プラットフォーマーが成功するために求められること

価値を提供し続けることでユーザーから不満を持たれることなく、自動で集客できることが求められており、実現するのはたやすい事ではありません。

プラットフォーマーが成功するために求められることは以下の通りです。

参加者が自動で増える仕組みが作れている

1つ目は「参加者が自動で増える仕組みが作れている」ことです。

プラットフォームサービスの価値は、ユーザーが増えるほど高まっていきます。そのため、宣伝するしないに関わらず、ユーザーがユーザーを呼ぶことで自動的に多くのユーザーを爆発的に増やせる仕組みがプラットフォーム拡大にとって重要となります。

参加者に利用する価値を提供できている

2つ目は「参加者に利用する価値を提供できている」ことです。

売り手も買い手も多い程、プラットフォーマーとして参加者に利用する価値を提供できます。
たとえば、楽天で説明すると以下の通りです。

①「楽天市場」というプラットフォームを提供
②おもにポイントサービスにてお得で便利なショッピングができると口コミが広がる
③ユーザーが増えることでショッピングが活発化し、それにより出店も増加

参加者が不満を抱きにくくなっている

参加者の増加と共に気をつけなければいけないのが、参加者の減少です。
参加者と業者ともに不満が増えると離れていってしまうので、両者ともに不満を抱きにくくすることでプラットフォーマーとしての価値が向上するでしょう。

スマートホームのためのIoT統合プラットフォーム

日本国内でスマートホーム普及を阻んでいる壁の一つに「IoT機器規格の乱立」がありました。
各メーカーから異なる規格のIoT機器が次々と発売されてしまうことでデバイス間連携の壁が生じ、相互持続性の低下を招いてしまいました。
この壁を打破するために登場したのが「スマートホームのためのIoT統合プラットフォーム」です。この登場により、自社他社共に含めたデバイスやサービスを横断連携することができ、スマートホームや関連するIoTデバイス普及の加速に貢献しています。

現在、スマートホームのプラットフォームは以下の通りに別れています。
・家庭のエネルギー管理を行うHEMS(Home Energy Management System)で電力消費の見える化や機器の自動制御を行うスマートホーム。新築一戸建て市場で展開
・GoogleやAmazonといったIT企業によるスマートスピーカー市場
・家電・ガス機器などIoT機器によるスマートホーム市場

住宅に関する機能を一括して管理・制御できるプラットフォームが普及すれば、スマート家電を導入する意義も分かりやすくなり、スマートホーム化の普及につながるでしょう。
スマートホームのプラットフォーマーは以下の通りです。

パナソニック株式会社(HomeX Display)

1つ目は「パナソニック株式会社(HomeX Display)」です。

HomeX Displayとは、壁に設置されたタッチパネル型デバイスです。家電や住宅設備の機能を統合し、エアコンや照明、HEMSに電気錠など、家中のあらゆる機能をHomeX Displayから設定・確認することができます。HomeX Displayは、使用ログや接続機器、クラウド機能の組み合わせにより暮らしを総合的にサポートします。

その他にもできることは以下の通りです。
・対応アプリケーションにより、端末が設置された部屋と部屋で宅内通話可能
・ドアホンが設置されていない部屋からもドアホンに応答できる
・その日の天気情報に基づいてベストな洗濯タイミングを教えてくれる
・災害警報と連動し、万一に備えてシャッターを閉めて蓄電池への充電を開始
・オープンプラットフォームなので、他社製品との連携も積極的に行っていく姿勢を示しクックパッドが展開するスマートキッチンサービス「OiCy」と連携した(2018年12月6日発表)

SOUSEI株式会社(v-ex)

2つ目は「SOUSEI株式会社(v-ex)」です。

v-exとは、住宅ビルダーのSOUSEIが手掛ける「住宅用OSデバイス」です。様々なアプリケーションのプラットフォームを構築できるOS機能を備えた箱型の機器で、テレビと接続させて使います。2018年7月31日に発売開始されました。

v-exでできることは以下の通りです。
・スマートスピーカー(Amazon Echo)、もしくは専用のスマートフォンアプリを使った家電コントロール機能
・住宅・住所にひもづくサービスを自宅内で決済する機能
・センシング技術を活用した家の状態管理機能など
・本体を設置した後も様々なアプリケーションのインストールや、機器との連携が可能
・マイホームアプリ「knot」により一元管理できるサービスの共同開発(v-exの長期保証やアフターサービスの提供、住宅に関する各種保証内容や保険内容、点検などの情報や、契約書、図面といった住宅情報など)

積水ハウス(プラットフォームハウス構想)

3つ目は「積水ハウス(プラットフォームハウス構想)」です。

プラットフォームハウス構想とは、家を幸せのプラットフォームにすることをコンセプトとし、IoTやセンサーを活用して「健康」「つながり」「学び」をテーマにしたスマートホームサービスを提供することです。実際の住宅において居住者が参加するパイロットプロジェクトを行い、システムの有効性を検証して一般販売につなげる方針です。2021年には第一弾サービス「在宅時急性疾患早期対応ネットワーク(HED―Net)」の運用が始まっています。
HED―Netとは、住宅内で居住者のバイタルデータを非接触で検知・解析し、脳卒中などの急性疾患を発症する可能性がある異常を検知した場合に緊急通報センターに通知し、救急隊が駆けつけ、玄関ドアのカギを遠隔で開ける世界初のシステムです。居住者にストレスをかけない検知・解析を目指して非接触センサーを採用しています。

まとめ

スマートホームとプラットフォーマーについて解説してきました。以下、まとめとなります。

・プラットフォーマーとは、インターネットやシステムでプラットフォームを提供する事業者や企業のこと
・プラットフォーマーは、集まったデータを解析し、常にユーザーニーズを反映したサービスを展開することで、ユーザーを増加させている
・身近な住宅のスマートホームプラットフォームは、私たちの生活を増々便利にし、スマートホーム化普及を加速させる

どんなにプラットフォームが大きくなっていっても、自動的に電気をつけたり、カーテンを開けるだけなら、人はそれほどスマートホームを求めないでしょう。住宅のスマートホームプラットフォーマーのように、その機能を活かし、私たちの生活によりリアルにどれだけ豊かにしてくれるかを提示することで、スマートホームの普及の加速に貢献できるのではないでしょうか。

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