製品・サービス

企業もユーザーもwin-win関係になる?オープンプラットフォームはスマートホーム普及拡大の鍵

新型コロナウイルスの影響により、おうち時間の増加や自宅勤務などライフスタイルが変化したことにより、スマートホーム製品の売上が世界的に増加しつづけています。家に滞在する間快適に過ごすためにIoT家電とスマートホーム製品を連携させることで、家事など日常的な作業を自動化できエネルギー消費を削減できます。

しかし、各メーカーから規格が異なるIoT機器乱立によって相互接続性低下など、スマートホームの登録プラットフォームが異なるわずらわしさなどが発生していました。スマートホームだけでなく、プラットフォームのデメリットを解決するのが「オープンプラットフォーム」です。今回はスマートホームのさらなる普及の鍵となるオープンプラットフォームについて解説します。

プラットフォームとは

プラットフォーム(platform)とは、サービスやシステム、ソフトウェアを提供・カスタマイズ・運営するために必要な「共通の土台(基盤)となる場標」のことです。

プラットフォームは大まかに3つに分けることができます。

  • OS:パソコンやスマートフォンアプリ作動に必要不可欠なオペレーションシステム
  • オンラインプラットフォーム:ウェブ上で提供されるサービスの基盤。検索エンジンやSNS、ECサイトなど
  • コンテンツ配信プラットフォーム:オンラインプラットフォームの中でもBtoC向けサービスを配信。アプリダウンロード、動画配信、PCゲーム配信などのサービス

たとえば、Amazon.co.jpや楽天市場のような巨大ECサイトはプラットフォームの典型例です。どちらも、自社が商品を販売しているだけでなく、多くの企業が商品を出品する「場(=プラットフォーム)」として機能しています。

代表的なプラットフォーム

以下のような代表的なプラットフォームは、商品の売買や課金、ID情報などを通じて収集した顧客情報をテコとし、異業種へのビジネス展開を進めるケースが多いです。

  • Google
  • Amazon
  • 楽天市場
  • Apple
  • LINE
  • Android(Googleが2007年に開発し、2008年にOSをオープンした)
  • Mobage
  • mixi
  • Facebookなど

プラットフォームを企業が活用するメリット

プラットフォームを企業が活用するメリットは以下のとおりです。

  • 一からサービス構築するのではなく、有名なプラットフォームに出店することで時間と開発費用を抑えられる
  • 利用者が増えるほどプラットフォームの価値が高まり利用者の利益も上がる相乗効果によりさらに利用者が集まる好環境が生まれやすい「ネットワーク効果」が見込める
  • ネットワーク効果によって認知度があがるなど競合に優位となり、継続的利益を生み出せる
  • ユーザーの行動履歴など自動的に蓄積した多くのビッグデータを分析し、今後のサービス改善につなげることができる

プラットフォームを企業が活用するデメリット

プラットフォームを企業が活用するデメリットは以下のとおりです。

  • プラットフォームごとに利用事業者がカスタマイズ可能な範囲が決まっているため、自社に合わせた一番良い製品・サービスの見せ方ができるとは限らない
  • ずっと使っていたサービスが突然終了される、仕様変更されるなど、プラットフォーム運営者の判断に左右される

スマートホームのプラットフォームとは

スマートホームの場プラットフォームは、様々なIoT家電などと連携するよう紐づけたスマートホームデバイスを一括管理・制御(遠隔操作など)可能なソフトウェアアプリケーションのことです。「スマートホームのためのIoT統合プラットフォーム」ともいわれており、以下のような流れで遠隔操作が可能です。

  1. 共通のネットワークに接続される
  2. スマートデバイスとリンクして通信を行う
  3. IoT家電などを独立して遠隔操作など可能

スマートホームのプラットフォーム市場は、2022年から2028年までCAGR16.6%で成長すると予測されおり、2028年に558億米ドル規模に到達する見込みです。

スマートホームのプラットフォームの役割

スマートホームのプラットフォームの役割は以下のとおりです。

  • 相互運用性を確保し、規制することですべてのスマートデバイスを1つにまとめること
  • データを保存・分析だけでなく、スマートデバイスを操作し、取得した情報の安全性を確保すること
  • スマートデバイスに関わる活動を簡素化し、ユーザーの満足度を高めること

スマートホームが日本でそれほど導入されにくい理由

スマートホームは非常に私達の生活を快適にしてくれますが、未だに外国に比べてスマートホームを導入している人や企業がそれほど多くない理由は以下のとおりです。

  • 利用するアプリがばらばらでまとめて操作できない
  • 自分ひとりでは設置や設定が難しい
  • 住んでる家の環境を表すためにこういうデバイスが必要など、明確な未来住空間の想像と必要性が追い付いていない
  • 消費者が使いにくいだけでなく、安心して提供できないサービスはビジネス側も採用できない
  • コールセンターや緊急対応などのユーザー対応サービスが充実していない

プラットフォームの登場によって、1つのアプリによって管理することが可能になりましたが、メーカー毎に規格が異なるとプラットフォームも異なってしまいます。これを解決したのがAPI連携したオープンプラットフォームです。

プラットフォームのデメリットを解決する「オープンプラットフォーム」とは

オープンプラットフォームとは製品やサービスを自社以外の企業からも参加可能としているプラットフォームを指します。SNSサイトとゲームアプリのつなぎ目であるAPIすることで生まれたソーシャルゲーム市場がわかりやすい例ではないでしょうか。

API(Application Programming Interface)とはソフトウェアの一部をWEB上に公開することで誰でも外部から利用でき、他のソフトウェアの機能を埋め込むなど、アプリケーション同士による連携を可能にしたものです。

ソーシャルゲーム市場は、プラットフォームであるSNS自体が顧客を持つコミュニティサービスであり、その上にゲームアプリというコミュニティサービスがさらに搭載される仕組みになっています。この場合、APIを用いることで以下のことが可能になります。

  • SNS側:SNSのユーザープロフィールや友達リストなどの情報に連動させたゲームアプリを開発し、SNSのページに表示できる
  • ユーザー側:SNSのIDを持っているだけで外部コンテンツプロバイダー提供の多種多様なアプリが使用可能

API公開など、規格の標準化と公開は参加者増加を引き起こし成功に結びつくといわれているため、規格公開を総じて「オープン化」といいます。

オープンプラットフォームによる各メリット

プラットフォーム内のハードウェアやソフトウェア、サービス提供するのに必要な仕様・技術などを公開(オープン化)することで得られる各メリットは以下のとおりです。

  • 企業側:カスタマイズ範囲関係なくソースコードを自由に利用できるだけでなく、他社からの豊富な対応機器やアプリケーションソフトウェアの開発・提供も得られ、自社製品の普及促進に繋がる
  • ユーザー側特定のメーカーやソフトウェア開発・販売会社にこだわらず、製品を組み合わせてシステム構築が可能

スマートホームのプラットフォームデメリットを解決する形はオープンプラットフォームにある

現在のスマートホームと連携できるIoT家電は、クラウドにつながってAIアシストや音声コントロールなど、様々なインターフェースの多様性が出てくることで、サービスがどんどん進化していき、家電の使い勝手がアップデートしていきます。そうなると、自然に高機能家電を一般の人が簡単に使える形へとつながっていくでしょう。たとえば、空調機器だと以下のようになります。

  1. 「この状態は快適・不快」と思う空調機器環境をエアコンに搭載されているAIが学習することで最適化してくれる
  2. 使用するたびに最適化されていくと、持ち主のライフスタイルに合わせてパーソナライズされていく

API連携したオープンプラットフォームを利用し、クラウド上でIoT家電メーカー機器とサービスが繋がることによって、クラウド上に他の家電から集まってきたデータが蓄積されていきます。蓄積されたデータがそれぞれのサービスにつながっていけば、さまざまな生活課題の実現に向けた連携サービスの提供ができるようになるでしょう。

企業の垣根を越え、活動時や睡眠時などに合わせた快適環境(音、温度、湿度、照明の明るさなど)の実現のような生活習慣サポートなどが可能になります。クラウド上に蓄積されたIoT家電使用データを活用することでユーザーの生活価値を高めていくためには以下のことが必要です。

  • データ活用サービスの拡充と機器・デバイス拡充
  • データによる生活課題・社会課題
  • 理解生活課題・社会課題を見える化
  • 事業主の視点でイエナカのデータを見つめることで生活課題に応えるサービス創出と拡大(家族の帰宅・食事時間がバラバラなど)

上記がどんどん進んでいけば部屋とユーザーの感情を紐づけ、学習した雰囲気になったとAIがそれぞれにフィットした形へスマートホームをカスタマイズなども可能になるでしょう。

まとめ

スマートホームのさらなる普及の鍵となるオープンプラットフォームについて解説してきました。以下、まとめになります。

  • オープンプラットフォームとは、製品やサービスを自社以外の企業からも参加可能としているプラットフォームのこと
  • スマートホームのプラットフォームデメリットを解決する形はオープンプラットフォームにある
  • オープンプラットフォームでは、企業は他社の豊富な対応機器などの開発・提供を得て改善や普及促進につなげることが可能であり、ユーザーは特定の企業にこだわらず自由に製品をカスタマイズできる

スマートフォームのプラットフォームはスマートホームとIoT家電の連携をまとめ、一つのアプリで家電製品をコントロールできるだけだと考える人は少なくはないでしょう。しかし、メーカーによって異なる規格の壁があるスマートホームのプラットフォームをオープン化させることで人間の暮らしはアップグレードされていき、さらに豊かでスマートな暮らしの実現に近づいていくかもしれません。ぜひこの機会にスマートホーム製品を自宅へ導入してみてはいかがでしょうか。

関連記事

TOP