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スマートホームが実現できる未来とは? IoTの進化とスマートホームの課題が未来化を加速させる!

身の回りのあらゆるものがインターネットにつながることで、私たちの生活を非常に便利にしてくれる新しいサービスが次々と生み出されています。その代表例が「スマートホーム」です。インターネットが当たり前になった現在、スマートホーム化は年々進化しています。家そのものがインターネットにつながり、声(スマートスピーカー)やスマートフォン一つで身の回りの家電全てをコントロールできる未来が来るのも時間の問題でしょう。日常生活を便利にする身近な存在としての活用が期待される一方、セキュリティトラブルなど、プライバシーの侵害や生活の安全性に直結する可能性が極めて高いといえます。安心で安全、便利なスマートホームが浸透した未来を迎えるにはどうすればいいのでしょうか。
今回はスマートホームと未来について解説します。

IoTの進化がスマートホームを未来へ近づける

スマートホームは、IoTやAIの技術を活用し、家電製品などをインターネットに接続し、ネットワーク経由で制御する仕組みによってより快適な生活を実現することです。
機器は人間によって制御されてきました。しかし、人間による制御には無駄が多く、判断ミスが多いです。スマートホームは人間が指示すると、IoTやAIの技術を使ってデータを蓄積し、そのデータや仕組みに基づいて答えを出してくれます。

IoT(Internet of Thing)とは、家電などの「モノ」自体をインターネットに繋げ、より便利に活用することです。従来の一般的なインターネットは、パソコンとサーバー間など、コンピューター同士を繋げるものでした。しかし現在は、スマートフォンとの連携やスマートスピーカーの登場により、家の中にある機器や設備が1つのネットワークに接続し、1つの端末から家の中にある機器、設備をコントロールすることが可能となりました。

現時点でスマートホームの代表例はホームオートメーションとホームセキュリティです。
ホームオートメーションとは、普段の生活を便利にすることをメインにしています。

ホームオートメーションとは、住宅における情報処理、管理システムのことです。 扉・窓の開閉や部屋の照明・空調の制御をコンピューターで行えるようにする、いわば住宅の自動化を指します。普段の生活を便利にすることに主眼を置き、「Google Home」や「Amazon Echo」などのスマートスピーカーやスマートフォンなどを経由して家電をコントロールするものが多いです。
たとえば、睡眠時間に合わせて光量を調整するスマートライトやスマートフォンと連携し、近づくだけで扉の鍵を開けることができるスマートロック、家の近隣に接近すると自動的にエアコンのスイッチを入れてくれるアプリなどがあります。

アレクサなどのスマートスピーカーの場合、「電気を消して」と声をかけると接続している家中の電気が消えます。カーテンの自動開閉をするスマートカーテンとスマートスピーカーを連動させておけば、「カーテンを開けて」と言えば開きますし、朝の7時にカーテンを開けるよう設定すると毎朝自分でカーテンを開ける必要がありません。

声だけで何でもできるようになれば、介護や福祉にも役に立ちます。
事故や高齢などで手足が思うように動かせない人にとって、家中の機器の操作が言葉を発するだけで完結できれば非常に便利です。本人だけでなく、介護する人の負担も大きく軽減されます。

ホームセキュリティとは、住宅内に取り付けたセンサー器具などが火災やガス漏れ、侵入などの異常を感知すると警報を鳴らしたり、あらかじめ契約している警備会社などへ自動通報され、状況判断後に警備員が駆け付けるシステムのことです。
「強盗や空き巣から財産を守る」「火災から住まいを守る」「住宅内での突発的な病気や怪我から身を守る」など、住まいの安全性を高めることに主眼を置いています。
スマートカメラを設置すると、ペットや赤ちゃん、高齢者の様子をスマホから外出先など、遠く離れていても見守り、確認することができます。カメラだけでなくセンサーも設置すれば、見守りだけでなく、家に誰かが訪れたり、不法な侵入者がセンサーに察知されるとスマートフォンにいち早く知らせが入り、防犯になります。

IoTが進化し続ければ、掃除、洗濯、ドアの開閉、見守り、お風呂の湯沸かし、調理、防犯など、家の中の用事が全て声とスマートフォンだけで完結するというスマートホームが実現できる日も近いでしょう。

スマートホームの課題

IoTが進化し、スマートホーム化が進めば私たちの生活は非常に便利なものになります。しかし、スマートホームには様々な課題があります。

スマートホーム製品は昔に比べてたくさん出てきていますが、「一般家庭に1台はある」というほどには浸透していません。スマートホーム化されれば便利ですが、なくても生活ができるからです。浸透が遅くなると対応する機器や設備も増えず、消費者の選択肢が少ない状態が続いてしまいます。

スマートホームのネットワークにおいて、エンドポイントにおけるセキュリティ対策が困難である点も課題といえるでしょう。エンドポイントとは、通信回線やネットワークの末端に接続された端末やコンピューターなどのことです。ホームネットワークを構成する照明器具やスマートロック、カメラなどの処理能力やメモリ容量は小さく、エンドポイントセキュリティ対策に求められる要件を満たしません。独自の組み込みOSを使っているものもあるため、セキュリティソフトが作動しないものもあります。スマート家電の多くはインターネット接続自体にリソースが集中しており、十分なセキュリティ対策がされているとはいえません。そのため、スマートホームは導入方法を一つ間違えると、多くの情報セキュリティ上の穴があるネットワークを稼働させることになります。情報機器のどれか一つに侵入されると、ネットワーク全体を制御されてしまい、非常に危険といえるでしょう。たとえば、スマートカメラと連携している場合、家の中が丸見えになるというプライバシー侵害や、スマートロックの不正操作で家の中に不審者が入ることが起こりえます。

また、スマートホームによる便利な生活を実行する場合、IoT機器を揃えなければいけないため、初期費用は高くなります。

スマートホーム製品自体は設定・設置が簡単ですが、スマートスピーカーと連動させるとなると設定や操作が難しくなります。機械やインターネットに普段から触れている人は説明書を読んだり、動画を見てすぐにできるかもしれませんが、そうでない高齢者などにとっては厳しいかもしれません。

スマートホームはまだまだ成長する市場であるため、低コスト化や商品開発、そしてスマートホーム製品・IoT機器とスマートスピーカーの連携設定のより分かりやすい方法などが生み出されていくでしょう。

セキュリティ問題に関しても国によるIoTセキュリティ対策が行われています。2019年3月にはIoT端末機器に不正アクセスを防ぐ機能を設けることと、障害発生時には重大事故として総務省に報告することを義務付けし、不特定多数からのアクセスを遮断する機能やID・パスワードの初期設定変更を促す機能などが求められました。

未来のスマートホームでできること

スマートホーム化が浸透した未来で実現できる例を紹介します。

宅配ボックス

宅配ボックスのスマートホーム化により、受け取り側のストレスを減らし、宅配業者の生産性をあげる事ができます。
現代人の生活は忙しいです。加えて宅配の時間指定サービスは大抵無料であるため、指定した時間に受け取ることができず、約30%の宅配物は不在持ち帰りされています。そうなると、宅配業者の生産性が大きく下がってしまいます。
宅配ボックスをスマートホーム化した場合、インターネットを経由してスマートフォンに宅配業者が宅配ボックスに荷物を入れたことが連絡されます。受け取り側は家に帰り、スマートフォンを使って宅配ボックスのロックを解除し、荷物を安全に受け取ることができます。
これにより、宅配業者の不在持ち帰りがなくなり、受け取り側も自分の予定に合わせて荷物を受け取ることができ、再配達の依頼連絡をするストレスがなくなります。

遠隔地の高齢者見守り

スマートホームによる見守りは現在もありますが、IoTによってより遠隔地の見守りを進化させることができます。

たとえば、高齢の両親の自宅ドアをインターネットに接続し、ドアの開閉を確認することで普段通り生活が行われているかをスマートフォンで確認することができます。
また、ベッドをインターネットに接続すると、スマートフォンに送られてくるデータから不自然なほど長時間ベッドの上から動いていない、夜中にベッドを離れて戻ってこないので倒れているかもしれないなど、高齢者に何か異変が起きているのではないか予測できます。

自宅の設備がネットワークで管理されることによって、体調や生活の様子を簡単に外部へ送信できるため、見守りができない場合でも高齢者を医療機関に任せることができるでしょう。

これらのデータ採取や見守りは高齢者の生活習慣がいつも通り行われているという前提が必要です。技術の導入のせいで高齢者の生活が変化するようでは過大なストレスとなり、健康に被害が出る場合があります。

こういったサービスをパックで提供している企業もあります。一般家庭でも見守りのためのIoT家電を揃えることができ、金銭的にも苦ではなく、スマートホームを使って高齢者を見守るのは当たり前の状態になった時、スマートホームによる見守りが実現できたといえるのではないでしょうか。

まとめ

スマートホームと未来について解説してきました。以下、まとめになります。

・現時点でスマートホームの代表例はホームオートメーションとホームセキュリティ
・未来的なスマートホーム実現にはスマートホーム化浸透の低さやセキュリティなど課題はたくさんあるが、IoTやスマートホームに関するセキュリティ規則などが進化していけば解決できるだろう
・声(スマートスピーカー)やスマートフォン一つで身の回りの家電全てをコントロールできる未来が来るのも時間の問題

IoTは住宅だけでなく、今後は商業施設などに普及していき、将来的にはスマートホーム化はより身近な存在になるでしょう。
スマートホーム化が一般家庭に浸透すれば、私たちのライフスタイルも変化し、一人一人に合わせたカスタマイズ性の高いサービスを増えていくことが予想されます。
IoTを活用すれば私たちの生活は非常に便利になり、声とスマートフォンさえあれば家丸ごとスマートホーム化する未来もすぐそこまで来ているのかもしれません。

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