業界分析

スマートホーム製品の利便性をアップさせるBluetooth接続とは? 使いこなして快適な生活を送ろう

現在、BluetoothはスマホやPCなどあらゆるデジタル機器に内蔵されています。
ネットワーク範囲は10m以内程と接続エリアが限られてしまいますが、消費電力が少ないため長時間継続して利用できます。また、ワイヤレスですので、「スマホとイヤホン」「パソコンとマウス」などのように1つの機器を近距離にあるもう1つの対応機器につなげるのが得意という特徴があります。スマートホーム機器にもBluetooth搭載のものがあり、Bluetooth対応の機器と組み合わせることによって利便性は更に増します。
今回はスマートホームとBluetoothについて解説します。

Bluetooth

Bluetoothとは、近距離無線通信規格の一種です。
同じ近距離無線通信規格といえば、代表的なISO/ICEをはじめ、IBeacon、ZigBee、Z-waveなど様々な種類があります。

BluetoothはスマホやPCなど、多くのデジタル機器に内蔵されている機能です。対応した機器同士はケーブルなどを接続しなくてもデータのやり取りができますが、ネットワークの有効範囲は狭く、10m以内で接続が切れてしまいます。国際標準規格のため、ソニーのイヤホンとappleのiPhoneなど、異なるメーカー同士の機器接続も可能です。ただし、接続のしやすさは同じメーカー同士がスムーズなことが多いです。 また、消費電力が少ないことが最大の特徴ですので、長時間継続して通信を利用するシーンに最適です。

従来、イヤホンといえばケーブルの先端をスマホやPCに挿入する仕組みでした。しかし、Bluetooth対応のイヤホンが出て来たことで、ワイヤレスで音楽データを送信できるようになり、Bluetooth対応のイヤホンはケーブルに煩わされる事なく、耳栓のように独立した形状でも成り立つようになりました。
Appleがiphone7以降はイヤホンジャックを廃止するなど、Bluetoothイヤホンの需要はますます高まっているといえるでしょう。

Wi-FiとBluetoothの違い

Wi-FiとBluetoothの違いは何なのでしょうか。

Wi-Fiとは

Wi-Fiとは、ケーブルなしで機器同士をネットワーク接続する「無線LAN」の規格のことです。
スマホやパソコン、家電といった機器を相互に接続したり、インターネットに接続したりするための仕組みを「LAN」といいます。従来は「LANケーブル」というケーブルを用いて機器同士を実際につなげていました。
しかし、ケーブル接続では機器の数だけ室内をケーブルが這い回ってしまうなどといった不便さがありました。そこで登場したのが「無線LAN」です。無線LANは電波を使ってデータを送受信するため、ケーブルを接続する必要がありません。つまり、ワイヤレスに機器をインターネット接続することが可能となります。

現在、ほとんどの家庭でインターネット回線を引いていると思われます。その場合、モデムやルーターというインターネット回線に繋がった機器があり、これらにパソコンやインターネット家電を接続することでインターネットを利用しています。Wi-Fi機能を内蔵した「Wi-Fiルーター」は、ケーブルなしで同じくWi-Fi機能を内蔵したスマホやパソコン、ネットワーク家電などをインターネットに繋げるハブのような役割を果たしています。国際通信規格ですので、異なるメーカー同士の通信が可能です。通信速度も非常に早く、大量のデータ通信が得意なことと、複数の機器を同時接続させることが得意です。ネットワーク有効範囲も100mと広いですが、その分、消費電力が大きく、Wi-Fiを利用しているデバイスのバッテリーが消耗しやすいです。

Wi-FiとBluetoothの比較表

Wi-FiBluetooth
規格名IEEE 802.11IEEE 802.15.1
Wi-Fi Allianceという団体によって認証された製品のみがWi-Fiブランドを名乗ることが可能1994年にエリクソン社のプロジェクトとして開始、その後複数の企業がプロモーションに関わっている
周波数2.4GHz帯、5GHz帯、60GHz帯2.4GHz帯
通信速度11gと11aは54Mbps、11nは300Mbps、11acは6.9Gbps(圧倒的な高速度)最大でも24Mbps
消費電力激しい少ない
通信距離数百メートル先まで電波が届くわずか数十メートルしか届かない
利便性が高い使用用途社内ネットワークをワイヤレスで構築。

Wi-Fiルーターを経由して複数のデバイスをつなげることができ、電波の届く範囲であれば社内のどこにでもデバイスを持ち運ぶことが可能

1対1の通信を想定している。

bluetoothに対応している1つの機器を、近距離にあるもう1つの対応機器につなげるのが得意で、マウスやキーボードなどパソコンまわりの細々とした機器をワイヤレス化するのに大変便利。

Wi-Fiと比べると、bluetoothのほうが通信速度も通信距離も劣りますが、消費電力が少ないなどメリットがあります。
電池の持ちを良くしたい場合はWi-Fiの代わりにbluetooth接続を、Wi-Fiが使えない時にデータ転送したい場合はBluetoothと、Wi-Fiとbluetoothをうまく使いこなすことによってワイヤレス化や作業効率化を図れるでしょう。

Bluetoothのペアリングとは

Bluetoothのペアリングとは、物理的でない方法でお互いを認識させる方法です。

Bluetooth内臓機器同士のペアリングを最初に行わなければ、接続相手を特定することができません。
たとえば、電車の中でスマートフォンからBluetooth対応イヤホンで音楽を聴きたい場合、ペアリングを行っていなければ、イヤホンは誰のスマートフォンから音を受け取ったらいいのかわからなくなります。万が一、他人のスマートフォンの音声が聞こえてきたら大変なことになります。
そうならないように、このイヤホンの相手はこのスマートフォンですと特定できるように、一対のカップルを作ることがペアリングの目的となります。

ペアリングは、一度登録すればこちらから設定を変更しない限り、端末から消えることはありません。

接続設定するのは初回だけで、2回目からは電源をONにするだけで自動的に相手と接続してくれる機能もあり、とても簡単です。

Bluetoothがスマートホームに用いられている理由

Bluetoothは複数のサービス同士の垣根を超えた、シームレスな相互接続性を可能にし、オーディオストリーミング、パソコンやスマホと周辺機器の接続、車内など幅広く活用されています。スマートホームの照明や温度調節、ドアのロックなどあらゆるIoTデバイスの操作にも用いられている理由は以下の通りです。

・スマホやタブレット、パソコンのほとんどの端末にBluetoothが搭載されているから
・消費電力が低く、小規模データの通信に適しているから
・身近にある家電や家具、家庭用品などの操作に適しているとされているため、採用しやすいから

スマートスピーカーとBluetooth接続

スマートフォンとAmazon EchoをBluetooth接続して、スマートフォンで再生している音楽をスマートスピーカーから流すことができます。

BluetoothとAmazon Echoへの接続方法

音声認識の場合、以下の手順でペアリングが簡単にできます。
①アレクサに「アレクサ、ペアリングして」と指示を出す
②ペアリングモードになったら、スマホのBluetooth設定を開いてAmazon Echo選択

音声認識で接続ができなかった場合は、

①アレクサアプリを開く
②アレクサアプリの「すべてのデバイス」をタップ
③Amazon Echoを選択
④Amazon Echoデバイスの設定から「Bluetoothデバイス」をタップ
⑤新しいデバイスのペアリングをタップ
⑥「BluetoothデバイスをEcoとペアリングします」という画面になったら、iPhoneのBluetooth設定画面に移動
⑦Echoを選択して接続

スマートフォンともBluetooth接続ができるスマートスピーカーは利便性が高い

音声操作とBluetooth接続を使用すれば、スマートスピーカーがより便利に感じます。
スマートスピーカー単体を使って、音声操作で音楽を聴くことはできます。しかし、曲の選曲や検索などはスマートフォンでした方が見やすく、早いです。なんとなくタイトルを覚えている場合も一覧を見ればこれだったとすぐに見つけることができるでしょう。また、プレイリストの再生もスマートフォンから行った方が操作しやすいです。
そのため、音声操作もできて、スマートフォンともBluetooth接続ができるスマートスピーカーがあれば利便性が高くなり、音楽再生も楽しくなるでしょう。

Bluetoothの脆弱性の総称である「BrakTooth」

2021年9月、シンガポール工科デザイン大学とシンガポール科学技術研究庁(A*STAR)の研究グループによってBluetoothの脆弱性の総称である「BrakTooth」が報告されました。
BrakToothには全部で16個の脆弱性が含まれており、市販されている1,400以上の製品に影響を及ぼすと言われています。

BrakToothによる攻撃は、カスタムされたLMPファームウェアを備えたESP32開発キットと、PoCツールを実行するためのパソコンさえあれば実行可能だといわれています。PoCツールはシリアルポートを介してESP32ボードと通信し、指定されたBluetoothデバイスに対して攻撃を仕掛けることができます。

攻撃に使用する環境は15ドル(1,500円)未満で構築でき、影響を受けるデバイスの数は数十億台に上ると考えられています。実施できる攻撃の例は以下の通りです。
・IoTデバイスへの任意コードを実行し全体を乗っ取る(情報漏洩と権限昇格など)
・ノートPCやスマートフォンのサービス運用妨害(DoS)
・オーディオ製品のフリーズ
・不正なBluetooth LMP(Link Manager Protocol)パケットをデバイスに送り込み、スマートフォンやノートパソコンのBluetoothサービスをクラッシュさせる

まとめ

スマートホームとBluetoothについて解説してきました。以下、まとめとなります。

・Bluetoothとは、近距離無線通信規格の一種であり、スマホやPCなど、多くのデジタル機器に内蔵されている機能
・BluetoothはWi-Fiに比べて通信速度が遅く、通信距離も狭いが、消費電力が少ないため長時間継続使用に向いており、細々とした機器をワイヤレス化するのが得意
・スマートスピーカーとスマートフォンをBluetooth接続することで音声操作だけでなく選曲操作の簡略化が可能など、スマートホーム製品とBluetooth機器を接続して使用すれば利便性がアップする

Bluetoothは脆弱性問題やWi-Fiに比べて通信速度が遅い、通信エリアが狭いなどありますが、それでも消費電力の低さ、通信速度の速さ、小規模データ通信への適合性を考えると今後もさらに存在価値を高めていくでしょう。
すべてのデバイスがネットワークに接続されているスマートホームは、家の中など狭い範囲で使用できれば十分ですので、スマートホームにおけるBluetoothの存在価値はますます高くなり、私達の生活をもっと豊かにしてくれる組み合わせが出てくるかもしれません。ぜひこの機会にBluetooth対応のスマートホーム製品を利用してみてはいかがでしょうか。

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